ご挨拶
九州大学は、東北大学と共同で令和3年度「原子力規制人材育成事業」に採択されました。放射線の利用が医療において重要性を増す一方で、原子力発電の再開に伴って国民の放射線防護への関心が高まっています。放射線を安全かつ有効に活用するため、放射線防護に関する高度な知識と実践力を持つ人材、さらに国民への放射線の理解を助ける橋渡し役となる人材が必要です。本事業の特長は、学部教育で多くの放射線に関する講義や実習の単位を取得している保健学科放射線技術科学専攻の学生および大学院生を主な対象に、原子力災害にも対応可能な実践的で高度な放射線防護の専門教育を実施することです。
現在、全国の診療放射線技師養成校の入学定員は3,000名を超え、施設数、定員数も増加傾向にあります。放射線防護に関する専門性を高めた優秀な人材を医療現場に限らず幅広く放射線規制の分野にも展開することは当分野にとって有益なことであり、原子力規制に係る行政職員をはじめとして関連する教育・研究機関への質の高い人材の確保に貢献することを目標といたします。
令和4年1月
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 放射線検査学分野/ 東北大学災害科学国際研究所 災害放射線医学分野