事業概要

プロジェクト概要

放射線の利用が様々な分野で進められる中、医学部保健学科放射線技術科学専攻では診療放射線技師を養成するため多くの放射線関連科目を卒業要件として学生を輩出しています。九州大学では卒業するまでに半数近くの学生が第一種放射線取扱主任者試験に合格することから放射線規制に関する基礎的な教育が実施できていることが証明されています。一方、放射線技術科学専攻においては、臨床現場で活躍できる診療放射線技師を養成することが主目的であることから、放射線診療に関する放射線関連科目の単位を取得する必要があります。そのため放射線安全管理学により踏み込み、原子力規制に関する内容、放射線管理の現場や原子力災害に対して実践的な演習やトレーニングによる人材育成の体制まではまだ構築されていません。

診療放射線技師は福島第一原発事故の際のスクリーニングや市民への被ばく相談対応で、原子力災害に対しても活躍してきました。また放射線治療や重粒子線治療、PET検査などを実施するために医療用加速器が医療機関に導入されており、これらの装置の国内設置台数は放射性同位元素等規制法対象の加速器の75%を占めています。今後も放射線治療の普及と技術革新が進むと予想される中、診療放射線技師が中心となって医療現場での放射線安全管理に取り組み、また放射線規制、原子力規制や放射線防護に精通した人材を育成することは、本分野全体の質の向上につながります。

そこで本事業では、九州大学は東北大学と共同で、保健学科放射線技術科学専攻の学部生や大学院生を主な対象として、従来の放射線安全管理に関する教育に加え、放射線防護に関する高度で実践的な講義・演習・実習により放射線業務に必要な科学的・技術的知見を身に付け、さらに放射線防護に関する説明能力と研究能力を養うことで、放射線規制のエキスパートとして行政機関や教育・研究機関へ課題解決能力をもった人材を輩出することを目的としております。


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プロジェクトメンバー

九州大学(2023年度)

実施責任者 藪内 英剛 医学研究院保健学部門
事業統括 藤淵 俊王 医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
有村 秀孝 医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
馬場 眞吾 医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
杜下 淳次 医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
荒川 弘之 医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
中島 裕美子 アイソトープ統合安全管理センター
本多 史憲 アイソトープ統合安全管理センター
杉原 真司 アイソトープ統合安全管理センター
山内 基弘 アイソトープ統合安全管理センター

東北大学(2023年度)

責任者 千田 浩一 災害科学国際研究所/医学系研究科保健学専攻
統括 千田 浩一 災害科学国際研究所/医学系研究科保健学専攻
鈴木 正敏 災害科学国際研究所/医学系研究科保健学専攻
稲葉 洋平 災害科学国際研究所/医学系研究科保健学専攻
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