ICRP149 Occupational Radiological Protection in Brachytherapy (小線源治療における職業上の放射線防護)の要旨

ICRP, 2021. 小線源治療における職業上の放射線防護.ICRP Publication 149. Ann. ICRP 50(3).

L.T. Dauer, C. Baureus Koch, J.M. Cosset, M. Doruff, A. Damato, F. Guedea, P. Scalliet, B. Thomadsen, L. Pinillos-Ashton, W. Small.

要旨 -小線源治療(Brachytherapy)は、いくつかの施設では医療における職業性放射線被ばくの重要な割合を占めている。さらに、放射線防護具が適切に使用されない場合、小線源治療施設の作業者(スタッフ)は高い放射線被ばくを受ける可能性がある。委員会は、97 および 98勧告 (ICRP, 2005a,b) で小線源治療中の放射線防護の側面について、113勧告 (ICRP, 2009) で診断およびインターベンションを伴う放射線防護の訓練について勧告を行っている。本書は、特に小線源治療中の職業被ばくに焦点を当て、委員会の発行する文書の中から小線源治療と職業安全に関連する情報をまとめたものである。

本書における資料および勧告は、委員会の最新の勧告を反映するよう更新されている。外部放射線治療では、適切に遮蔽された施設では被曝線量は最小限(またはゼロ)であるが、小線源治療ではスタッフが積極的に管理しなければならない被ばく線量の可能性があることが特徴である。現代の小線源治療センターでは、スタッフによる放射線被ばくが発生する(例えば、シード、針、板等の密封線源の装填、関連する透視検査など)。また、世界規模での小線源治療の実施には大きなばらつきがあり、いくつかの施設では、スタッフの線量が著しく高い可能性のある古い技術(例えば、226Ra、192Irワイヤーの使用)をいまだに実施している。さらに、技術開発や新しい技術によって、スタッフに対する新たな防護上の懸念が生じ、実践的な医療界に対する具体的な勧告によって対処する必要がある。本書では、放射線の生物学的影響、放射線防護の原則、小線源治療中のスタッフの防護、放射線防護教育、品質保証プログラムの確立について論じている。具体的な推奨事項としては、トレーニング、モニタリング、強固な品質保証プログラムなどがある。

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