原子力規制庁体験プログラム(令和8年度夏季)に参加しました(2)

原子力規制庁体験プログラム(令和8年8月28日から9月1日)に本学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野1年の石津遥菜さんが参加してきました。お世話になりました原子力規制庁の皆様、ありがとうございました。以下は、学生からの報告書になります。

 

原子力規制庁体験プログラム報告書

令和8年9月4日

九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野1年

石津遥菜

 

令和8年8月24日より開始された原子力規制庁の夏季職場体験プログラムに参加し、放射線防護企画課に配属していただきました。本報告書では、実習で経験した学びと所感についてまとめます。

実習1日目の8月24日は、人事課によるオリエンテーションと組織概要の説明から始まり、午後には若手職員の方々との座談会およびグループワークに参加しました。日頃の大学院での研究では、医療用のCT画像が持つ特性を検証するため、画像の正確さを計算して評価するといった定量的なデータと向き合っています。そのため、国の安全を根幹から支える巨大な組織の仕組みや、明確な使命感を持って巨視的な視点で規制や政策を実行していく同庁の姿勢は、私にとって非常に新鮮であり、大きな刺激を受けました。

2日目の8月25日は、配属先である放射線防護企画課にて所管事項の詳細な説明を受けた後、制度班や総括での実習を体験しました。単に制度の概要を学ぶだけでなく、実際の業務の一端に触れることで、専門的な技術がどのようにして法制化され、社会全体の安全網として機能しているのかを具体的にイメージすることができました。また、審議官との面会や訓練ビデオの視聴を通じ、緊急時における意思決定の重みや、現場が持つ特有の緊張感を肌で感じることができたのは、座学では決して得られない貴重な経験でした。

4日目の8月27日は、午前中にシミュレーター施設および緊急時対応センター(ERC)を見学し、幹部や委員の方々との懇談の機会をいただきました。規制行政のトップレベルの視点と職務に対する強い使命感に直接触れ、身の引き締まる思いでした。午後は医療班より、支援センターや拠点病院を含む原子力災害医療体制の現状について講義を受けました。その後のグループワークでは、原子力災害医療派遣チームの活動要領を活用しながら、協定締結の目的と内容を整理し、締結に伴う課題と締結の加速化に向けた解決策について議論しました。技術的な視点にとどまらず、医療機関側の負担や制度的障壁など、多角的な視野から課題解決を図るプロセスを実践的に学ぶことができました。

最終日となる5日目の8月28日は、企画調査班において放射線審議会の業務内容について説明を受けました。最新の科学的知見を法令や基準に反映させるための諮問プロセスの重要性を学んだほか、航空会社の乗務員に対する宇宙線被ばく管理といった具体的な事例も伺いました。一見すると原子力と関わりの薄い業界にも放射線防護の知見が不可欠であることを知り、同庁の業務がいかに社会の幅広い分野の安全基準に関与しているかを実感いたしました。

私はこれまで、将来のキャリアとして医療機器メーカーやIT業界などを広く視野に入れて就職活動の準備を進めてまいりました。今回の体験プログラムを通じて、放射線技術の安全な運用を制度やルールの設計という最上流の視点から支える業務の魅力に触れたことで、自身のキャリアに対する視野がさらに一段広がったと感じております。

最後に、平素より熱心にご指導いただいている藤淵先生をはじめ、お忙しい中、貴重なプログラムを企画・運営してくださった原子力規制庁人事課の皆様、ならびに温かくご指導いただいた放射線防護企画課の皆様に、心より感謝申し上げます。

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